ゆうパックで生きた動物を送ることについて|日本動物福祉協会の活動は、全て会費とご寄付で成り立っています

動物関連事業トピックス

ゆうパックで生きた動物を送ることについて

動物関連事業トピックス

2021年3月に都内郵便局で生きたモモンガをゆうパックで郵送しようとしているところを目撃された方が、その場で当該郵便局長に確認したところ、「小動物まではゆうパックでの郵送できると言われたこと」について、動物虐待にあたるのではないかという相談が当協会にきました。

日本郵便株式会社のホームページ(同年4月時点)には、「魚介類、は虫類、昆虫類や小鳥などの小動物については、特別な取扱いはできないため死亡の恐れがあることなどの条件を承諾いただたけたものについてゆうパックで送ることができる」と記載がありました。そのため、本件の事実確認と、は虫類及び鳥類も愛護動物に定義されていることから動愛法に抵触する恐れがあるため、動物専門輸送を設けるなどの対応を求めた要望書を4月に提出しました。
5月初旬に届いた日本郵便株式会社からの回答は、「ゆうパックでは内容品による特別な取扱いをすることは困難であること、そのため、モモンガなど小型哺乳類は引受けしていないが鳥類は引受けしており、現在のところ動物専門輸送等の新設は考えていない」という内容でした。

これを受け、5月に当協会からは、小型哺乳類引受けの再発防止策と愛護動物であるは虫類及び鳥類のゆうパックでの郵送引受けの再考を求める要望書を提出しました。
その後、7月に日本郵便会社からは、哺乳類は引き受けしないことを全郵便局に周知徹底し、ホームページにも明記した旨の回答がありました
しかし、かめ・とかげ・鳩、インコ類に関して近距離(同一道府県内の移送など)であれば引き続き受付けることになっており、酷暑時の対応や不在時の放置など愛護動物の命を脅かす可能性のある事態への対応がなされていないことは動物福祉の観点からは問題がないとは言えません。

また、内容物の確認に際しても、顧客の虚偽申告により、特定動物(ワニガメやドクトカゲなど)を逸走防止措置無しに輸送してしまい、輸送途上で脱走した場合には住民に対し不測の事態をもたらす危険性さえあります。
このような動物や住民の命や環境に関わる根本的な問題に真摯に取り組み予防的に対応することが、日本郵便株式会社の社会的責務であり、かつその取り組みを社会に対し丁寧に説明することが今求められていると考えます。ゆうパックでの生き物の輸送について、同社内部で引き続き動物福祉および社会的責務の観点から真摯に検討され改善されていくことを切に願っています。

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