動物虐待とは
【動物虐待】とは「動物に不必要な苦痛を与える事」つまりは、「動物の心身に肉体的な苦痛・精神的な苦痛・多大なストレス等を与えること」です。
動物虐待には以下の2つのタイプがあります。
1.意図的(積極的)虐待=やってはいけない行為を行う・行わせる
- 殴る、蹴る、熱湯をかける、動物を闘わせる等、身体に外傷が生じる又は生じる恐れのある行為、暴力を加える
- 心理的抑圧、恐怖を与える
- 酷使 など
2.ネグレクト=やらなければならない行為をやらない
- 健康管理をしない
- 病気を放置
- 必要な世話をしない
- 劣悪な環境に動物を置くなど
マスコミで騒がれる動物虐待といえば残虐な殺傷事件(意図的虐待)がほとんどですが、もっと身近で頻繁に起こっているのが必要な世話をしないネグレクトです。
まだまだネグレクトを虐待と認識されていない方が多く、病気でも治療もせず放置したり、食物が十分でなくガリガリで あったり、毛玉だらけであったり、ゴミや糞尿の上というような不衛生な環境で飼育していたり、狭いケージに閉じ込めたままであったり、夏冬の厳しい天候にも避ける所もない状態で飼育していたり、短い鎖で繋がれっぱなしであっても、虐待とまでは思わない。しかし、これも明らかな虐待です。
児童虐待防止法でも虐待の定義の中に「ネグレクト」が入れられております。平成14年馬を衰弱させた事件(ネグレクト)の判決文の中で、「衰弱とまでいえなくとも、著しく不衛生なところで餌や水を十分与えず不健康な状態に陥らせることは虐待である。」と虐待の定義の内容が書き込まれました。
意図的であってもなくても、虐待は「動物の心身の状態・置かれている環境の状態によって判断されるべき」なのです。
犬のケアとコンディションの評価
タフツ・アニマルケア&コンデイション尺度(TACC)<環境省>
TACCとは、American Humane Assosiation(AHA)が、1997年に出した「A manual to aid veterinarian in preventing, recognizing and verifying abuse」(虐待の防止・認識・立証における獣医師の判断補助マニュアル)の中に掲載された、犬の健康管理・環境管理・世話に関するスクリーニング・ツールのことです。
動物の使用・利用
動物の使用は人間に恩恵をもたらすこともありますが、その恩恵以上に、そこにかかわっている動物たちを犠牲にして苦痛を与えることもあります。
- 最初は
動物の活用 - 次第に
乱用・酷使 - 最後は
虐待へ
我々人間が動物を「活用」した場合、そこには、「乱用」や「酷使」ついには「虐待」に至る可能性があることを認識しなければなりません。