しつけと虐待のボーダーラインは?|日本動物福祉協会の活動は、全て会費とご寄付で成り立っています

スタッフブログ

しつけと虐待のボーダーラインは?

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先日、散歩中に飼い主から蹴りつけられていた16歳のラブラドールレトリバーが保護される事件がありました。ここでの、飼い主の言い分は「しつけ」とのことでした。

しつけと虐待のボーダーラインはどこか・・しつけとは、修正してほしい問題の行動を正すために行うことであって、その行動はいけないことだと理解させ、学習させることです。

そのために、体罰・暴力は本当に必要でしょうか。反対に、暴力は、問題を悪化させることもあります。つまり、動物において、暴力は不必要な苦痛でしかなく、暴力行為をした時点でしつけではありません。

もし、そういう行為を見つけた場合、すぐに警察に連絡をしてください。可能であれば、動画等で証拠を押さえてください。

日常的に蹴られたり殴られている場合は、皮下出血があったり、骨折跡があったりしますので、保護できたら、動物病院で全身くまなく診てもらうことが必要です。また、行動学的にも問題がみられるケース、例えば、いつも頭部を殴られていた子は、頭上に手をかざすだけで、肩を竦め、ぎゅっと目を閉じるなど怯えた行動を示すことがあります。

特に幼齢期の慢性的なストレスは脳の器質変化(扁桃体変形や前頭野連合野の萎縮)を引き起こし、将来、問題行動の原因になることが論文などでも報告されています。

繰り返しますが、動物のしつけに暴力は必要ありません。人間の保護庇護下にある動物への暴力をいつまでも「しつけ」として容認する社会であってはいけません。そして、しつけと称した虐待は、動物だけでなく児童虐待でも問題になっています。児童虐待と動物虐待の問題は酷似しています。いつまで、しつけを隠れ蓑(言い訳)にした不必要な苦痛を受ける命が放置されるのでしょうか?それも家庭内という閉鎖的な空間の中で・・・。子供も動物も親又は飼い主しか頼れる存在はありません。そのため、第3者が虐待に気付き救出されるまで、虐待にじっと耐えるしかないのです。

社会の問題として、虐待を取り締まる法律があっても、行政による運用がうまくいってない現状があります。特に動物の場合、法律上所有権が強く、飼い主が所有権放棄をしない限り救出保護できません。虐待をしている飼い主を罰することはできても、虐待を受けている動物を一時的にでも救出できないことは、その動物を見殺しにすること同じであり現行法の限界を感じます。

虐待をしっかり取り締まり、虐待を受けている動物を救出することが常識となる世の中にするためにまずは法整備を、そして運用をしっかりとしていく必要があると考えています。